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 そこは猛烈に風が吹き荒れていた。
男は長袖にGパンの軽装なので
困った、困ったと、内心つぶやいていた。


でも自分で決めたのだから、
仕方ないと思っていた。
 また、風が巻き込むように小石を吹き上げ、
30Mも向うの斜面を、駆け上がって行った。


 ビューーシャシャシャーー


 たまに砂ジャリをぶちまけられたように、
男の全身を襲った。


 空の雲は手の届きそうな所を、
つぎはぎのように吹き去って行く。
 白い雲、灰色の雲。


 ひっきりなしに電車が過ぎ去るみたいに、
ゴーーゴーーと、唸りを上げたかと思うと、
黒雲の塊が反対方向から、
底をえぐるように落ちて来て、
男をさらうかとする勢いで吹き上がる。


 その時、少しうすい灰色や白色の雲を飲み込んで、
まだら模様の、変なはじめて見る風景になった。


 ゴーーゴーー、


 時々大粒の雨が、
ばらまくように降るとすぐ止んだ。


男は上を見ていた。
おかしな雲がバラけると、
その上空にラッパ管を逆さまにつぎ足したような、
大きな形の雲が浮いている。


 男はその不思議な造形に見入っていると、
そのラッパ管の中に、
最初は小さく黒っぽい物が漂って、
更に少し大きくなると四角い形を認めた。


 あーーと男が身構えるように叫ぶと、
急に大きな長方形の所々空いた所がある物体が、
勢いをつけて落ちて来た。


 長さ10Mはあろう。
ドシャーンと砂ジャリの上に墜落した。
 砂煙に男は近づくと、太い丸太の木組が現し、
男は黙って四隅蹴ったりして、上にあがった。


 直径100M、深さ30M程の、
盆地の形をした斜面は急で、
真中の狭い平地に、
今しがた降って来たイカダが見える。


結構小さく見えるから、この火口の底は思ったより広いのかもしれない。


 真上のラッパ雲はしばらく漂っていたが、
ねじれる様にゆっくり崩れると、
上空は澄みわたる青に変わった。




 ここは富士山の山頂。
こんな高い所なのに、今は風が殆ど吹いていない。
昔、噴火口で、今、少し盆地になっている斜面を、
男が登って来る。


あと数歩上に向って足を運べば、
頂上のふちでも一番高い所に出られると、
男は思っている。


 そこは西の面で、
少し大きな石の上に立つと、
その向うをグルリと見渡せる絶景の地点である。


 北も陸地が見通せ、
反対の南西方向も陸地がのびて、
総て日本列島が一望のもとに、覗ける。


 男はそんな地点に立ちたいと望み、
あと数歩で登り切る所だった。
だがこの男、どうも晴れ晴れしい顔つきではない。





         


久しぶりヨコヤリが飛んで来た。


そして、頂上に立とうとする男の上を、かすめるように旋廻した。





 男  おまえかー


    
ジュウネン、ブリデ、
        オマエカー、ハ、ナイダロウ?



 男  ついてんなー


      ・・・


 男  こんな風の無い日、
    おそらく年に数日・数時間だゾー


      
タシカニ、イイナガメ


 男  さー帰れ、消えろー


      
ヘンナトコロ、ダカラ、
           キタンダケド、ナニヤッテン?



 男  いーから、消えろ





    
ワカッテンノ? ココ、ウゴイテルヨ





 誰にも知られなく、誰にも見られないうちに、
日本列島が細かく微動。
 プルプルと身震いすると、
海底のタガがカサッと外れた。


 皆が眠ってる時、
起きてる人が数人いても、
気がつかない程ゆっくりと、
列島はバサッと、
大きなエビが脱皮するように分離しだした。


 グッバルバルバルーー 


静かに静かに移動し、東シナ海を南下して行った。
そして、大陸の反りと列島の反りが、ちょうど合わさる所で、ぴたりと止まった。
そこで男は、くっつけるか間をおくか、
ズーと思案していた。 


 そして意を決したとたん、列島は今しがた、北海道と沖縄が沈み始めたのだった。
 それは日本列島を中国沿岸の大陸棚の一部として、沈めようとする男の魂胆であり、実際に沈み始めた。


「ソーサ」
男はタタミ2畳程の平らな石の上に立った。
そして両手を腰に添えると、
ふんぞり返るような姿勢で、
「中国人民に告ぐーーー」
と、大きな声を張り上げた。


すかさず、驚いたヨコヤリが、
グルグル見えなくなる程の速さで旋廻した。




     
チョット、チョット、
         ナニ、ハジメル、ナニ、ハジメル?





男は蚊でも追い払うように、


    どけ、うるさい




    
イイカラ、イイカラ、ナニヤルノ
         トニカク、テヲ、オロシナサイ





腰に張った両腕のことをいっている。


富士山はいつも変わらず、悠然とたたずんでいる。
男は、ヨコヤリの妨害ともとれる動きに、
コマッテしまった。




     
ジブンデ、ナニ、イッテルカ、                                ワッカテルノ?
               ナニ、サケンデ、イルノ?





  男 ナニもヒヤカシで云ってるのではない。
    云うべき時だから、云うのだ。




      
ナラ、ナニカ、イウナラ、
        ムコウノ、フチニ、タッテ、イッタラ!





と、反対側、太平洋側を指摘した。


 男  アンナ、時間がないんだ。
    お前、チョット上から北と九州の方、
    どうなってるか見て来てくれ。


ヨコヤリは言われるとすぐ、
目にもとまらぬ速さで、
ヒューーと短い音を残して消えた。
ヨコヤリはドンドン小さくなる富士山の真上で止まり、
北の北海道を見通した。


 すると海に黒い煙が帯になって、
何本も沸き立っているように見えた。
 そしてすぐ南西の沖縄、九州を見ると、
すでに沖縄は消え、九州の種子島あたりが煙っていた。
ビックリしたヨコヤリは、急転直下、
富士の男に向い、すぐ問いただした。




 男  列島のソリ具合と、大陸の淵沿いが、
    シンクロしそうに見えたから、
    そのまま、ひっつける作戦だったんだ。
    でもそれじゃ刺激が強すぎるかと思ったんだ。
    朝起きたら、中国の沿岸が、
    すべて沖合200Kも伸びてたなんて、・・・


    
 ソンナノ、バレバレニ、
          キマッテル、ジャナイカ、
             ダレモ、シンジナイヨ



 男  でもな、中国は長い歴史を持つ国だ。
    何度も天変地異を繰り返して来ているから、
    ある日突然、土地が増えたって、
    たいして問題にしないのではないかと
    思ったんだ。


         
ザザッケンナ


 男  でもやっぱりダメだ。
    空からGPSだか何だか知らんが、
    覗いているから、ヤメにした。
    それで列島を沈めて行く作戦に、
    変更したんだ。




        
チンボツ、シタラ、                               オワリ、ジャナイカ


 男  いや、ただの沈没じゃない。
    中国の大陸棚の一部として沈める。
    そこに決めたんだ。


    13億の人々に振り向いてもらうには、
    相手に富士山を目の前に見せ、
    そこでガナるしかないんだ。


   
  コウイウノヲ、バカナ、スットンキョ、
             トイウンダ、ヤメトキ!



 男  いいんだ、何であろうと、どう思われようと、
    ただ、聞いてもらえれば。




ヨコヤリは、男の周りを旋回しているが、
飛び方が不規則になり、ヘナヘナヒラヒラと萎れて、
男の足元に墜落してしまった。
そして、言葉が小さくなってアワを吹き出した。




         
ソンナノ、ソンナノ、
                  シラナイヨーー、シラナイヨーー





 男  おい、どうしたんだ。・・・・
    どうなってるんだ。・・・・




       
ーードードードーナッテルノ
                    セツメイシテ・・・





男もすぐ、どうなったと聞いた。




        
ソンナー・・・
    
          ホカイドウ、ト、ミナミノ、ホウガ、
                    ミエナクナッテ、イ・・イル



 男  そうか、じゃ急がなくチャ


           
  ゲッ!




 ヨコヤリに腰があるのか定かでないが、
腰が抜けるようになって、
 その身体は、どこにでもある板切れで、
カンナのかかっていない、
長さ50cm程、巾15cm位で、ささくれている。
前は矢印マークで、後はギザギザに切れていた。




    
ナニヲ、イタソウト、シテイルノカ・・・
                     キカシテミ?・・・





ヨコヤリは酸素不足に陥ったのか、
キレギレに小さく云った。
男も付き合いは古いし、無視も出来ず・・・


 男  イヤね、云っておきたい事があったんだ。
    何事も本音とタテ前があるが、
    中国と交渉する時、
    本音で話しとかないとダメなんだ。
    頭より腹で話さないとダメなんだ。




     
ソレデ、フンゾリ、カエッテルノネ




 男  頭は小沢とザンパースにまかせ、
    私は腹に何も残さず語るのダー。




            
オナカ、デテキタシ、ネ




 男  それで、今いい時かなと思って、
    立ち上がったんだ。




     
タチアガリネー、
           スコシ、メダチスギ、ジャナイカ?





 男  いや13億の人々に語るには、
    ここしかないんだ。




     
チュウゴク、コクナイデ、ヤッテモ、
                     イインジャナイノ?





 男  でもな、がなり声を聞かすには、
    北京のあたりに大きな高い山、
    そんな所がないんだ。


    エベレストのテッペンも考えたが・・




         
トオスギルヨ




    あそこの寒さは、
    こんなもんじゃないだろうし、
    あそこからじゃ、
    インド人のガナリと間違われるかも。


    万里の長城もメジャーだから、
    聞いてもらえるだろうが、
    あそこでやっても、せいぜい5〜6Kの人が、
    振り向いてくれるだけ
    だからココなんダ。
    富士山なら皆知ってるしな。


上空1万Mの高さに、
旅客機が、音もひかず大陸に向っている。
男は風がない今だと、腰に両手を添えて怒鳴った。




       
チョットマッテ、                               ジュウサンオクノ、                             ジンミンニ、ツグ、ハ                             ヤメナサイヨ。


 男  ・・・・・


      
ジンミンニ、ツグ、ハ、ヘンダヨ


 男  わかった
    13億の人々に告ぐ!! ここは日本!! 


         
ッ、イッカ


 男  今再び中国は、コノコシャクナヤツと、
    日本を攻め立てようとしている。
    やめてくれやめてくれ、こんな小さな島だ。
    日本は又、戦いたくないのだ。




          
ソノ  トオリ




    日本は昔から、ずーと昔から、
    中国から攻め込まれては、防戦一方なのだ。
    中国はどう想ってるか知らないが、
    日本から中国に戦争を仕掛けた事など、
    一度もないヨ。


    元寇の役の時だって、2度に渡って中国は、
    日本に大群を送り込み挑んできたが、
    あの時は、2度とも殆ど合戦なしに、
    台風の風にやられ、沈没したのであって、
    15万もの兵と直接戦ったのではない。


    これは、約700年前の事で、
    決して日本が勝ったのでなく、
    中国が勝手に攻め込んで来て、
    勝手に沈んで行ったのだ。




         モッタイナイーー




    この結果にこだわっているのなら、
    2度とも、わざわざ台風シーズンを選んだ
    元朝の武将こそ、諫めるべき人物で、
    日本にはまったく関係ない。




         
ゲンチョウ、ノ、ブショウッテ、
                     フビライ、ジャナイノカ?





男は、ゆるやかに旋回するヨコヤリをワシヅカみし、踏んづけ、少し体重を乗せた。




    
ウッグ・・・パッキンパキリダ! 
         パッキンシタラ、ワタシハ、シヌンダカラネ





 男  はっきり云う。 
    ほっといてくれ。





        
ソウダ!
               ホットケ、ホットケヨ!





もがきつつ少しシビレてきた。




     
フビライハ、ツヨカッタンデスヨ 
                 ナンカイモ




 男  今回またまた沖縄の小さな島に、
    チョッカイ出して来たが、
    2010/12/15現在も、
    細かくツツくように、
    チョッカイ出して来てる。


    アタリマエに冷静に事を見つめれば、
    カンタンな事。


    遠の昔から中国は、
    相対的に自分達が居住する陸地、
    大地、大陸に、絶対的な価値を置き、
    島に住む住人なんて、
    未開の地の虫けらみたいな存在でしか、
    なかったのだ。


    それが、5千年もの歴史を持ちながら、
    今になって、
    海の孤島もナカナカよいからよこせと、
    ヒックリカエッテキタ。


    こういうのを、
    −虫のいい話−と云うのだ。




     
イイゾ! ソレダ!ムシケラメ! 
          ムムム  ムシッテ ムシッテ





 男  実際このやり方で、
    ベトナム・フィリピン等、沿岸の島も、
    いきなり赤い旗を立て、頃合を見て、
    フリゲート艦を常駐するやり方。 


    これが成功すると日本の沿岸にもやって来て、
    そこヨコセと云って、襲おうとしている。




         
 タマランヨ!




 男  可笑しいだろ?
    誰がみたってオカシインダ。
    誰がみたって、大国のやる事ではない。




            ソウダー
               タイタイタイタイーー




 男  トコロが、−コシャクナ小日本− と、
    13億の民を焚きつけ、
    こんな小島を飲み込もうとしている。
    可笑しいだろう!




      
コラー、ナナナニ、ヤッテンダー、
            ヤッパシ オカシインダー ヤッパシー





 男  何をもって小日本と叫ぶのかも、
    意味理解しかねる。
    チョット金回り良くなったからって、
    ナリアガリみたいな振る舞い、
    止めときなさい。




     
ソノ、ヤスモノノ、
          デキノワルイ、スニーカー、ドケロ!

         
イタタ、ゲロッパ  ゲロッパンテンダ




やっと重石から放たれたヨコヤリは、
漂う様に疲れきって、
男の周りを飛んでいる。
少し変則飛行なのは、いたしかねないか。




       
グチャ グチャ ツマランヨー
                  ナニイッテンノン




 男  つまらん事ない。 
    事実を云ってるのだ。
    そんな事より、北と南どうなってるか、
    様子見てきてくれないか?




         ナンカ、
                 アブナッカシインダガ・・・

                    イッテクル




 ヨコヤリはスベル様に北に向った。
男は下にくだるヨコヤリを見送って、
すぐ、キッと西の方向を見つめた。


 そして幾分、風にのせるよう上を向いて語り始めた。
男はまだ高いうちに、肝心な事を云おうと、
力を込めた。


 男   700年も昔の事など、
    どうでもいい、と云うかもしれんが、
    日本にとっては建国以来、
    初めて、国の外から攻められる
    大戦だったのだ。


    中国は悠久のずーと昔から、
    戦の連続で、
    王朝を支え続けた歴史があるが、


    その規模は、広大な台地に、
    我が列島を埋め込む程の区画で、
    戦略を練るのであろうから、


    元寇の役、等は、小さくて、
    歴史に参加すらしてないのかもしれない。
    しかし、日本にとっては、天下の一大事。
    必死だったんだ。









 男  あれ!


       
サムクテー ・・・・・
                   ハダカダシー、





    余談だが、中国は、
    唯一古来より文明を続けてきた実績から、
    世界はすべて中国の手中にある。
    これこそまさしく大ブロシキで、


    例えば、モンゴルのフビライが、
    中国を制覇すると、
    元王朝として、
    中国の歴史の中に飲み込んでしまう。


    まことに都合よく、
    それゆえ底なしの大きさとも云えるが、
    モンゴル人自身は、この過去の偉業を、
    歴史の中にどう位置づけているのか。
    まさか元朝時代とは呼んではいないだろう。


    また余談になるが、
    日本の武将、豊臣秀吉が、約400年も前、
    一時中国に攻め込もうとして、
    計画中断したが、
    もしまかり間違って進軍し、
    中国の歴史に紛れ込んだら、
    その名は、倭朝とも呼ばれているのだろうか。




       ・・ソレハ、ナイト、オモウヨ・・




    いや、そうであろう。
    倭国など、
    常に大ブロシキの中に納まっていると、
    こう見立てる人が、
    必ず、ごくごく一部にいる。




            
イルイル




    歴史を100年間、前に戻そう。


    何故100年かは、50〜60年程度では、
    その時代を経験した人が存命中で、
    どうしても、塩漬けの状態にしたがる所に、
    様々な主観が入り込んで、
    事実が、なおざりにされがちになる。




              へーー




    その点100になると、
    余計な思惑が払拭され、
    透明になる事で、
    事実がより良く見える事となる。


    よって事実こそ信じるなら、
    事実を事実として、
    語らなければいけない。




       
  アタリ  アタリメ 




    100年前中国大陸は、
    海を挟んだ日本列島が、
    隣に存在していなければ、
    間違いなく中国王朝は亡んでいた。


    これは動かしようのない事実。


    もしかすると、今世紀の終わり頃には、
    時間をタイムスリップする装置が、
    開発されているかもしれない。




       カノウニスル・スル・スルンダ




    仮定で事を語るつもりは毛頭ないが、
    20世紀初めの前後、
    中国は建国以来、
    最大の危機に直面していた事は、
    紛れも無い事実。


    戦争を現代の力学的な数学に置き換えても、
    物理的に国土は、
    消滅への答えが確実に出て来る。


    即ち、零の証明が、
    現代のコンピューターに照らしても、
    明らかだ。


    ゼロとは無くなる事で、


    それは広大なユーラシア大陸、
    と自負する中国の領土が、
    白系ロシアも含めた欧米諸国の国々に、
    まるでチーズケーキをカッティングする様に、
    分割占領されてしまっていた。
    という事に繋がる。





    この事実がまだ出て来ないのは、


    歴史が百年経っても、未だ生臭く、
    この事実を、表立つ各国が、
    認めたくないとした方が、
    当たり障りのない見解なのかも知れぬ。


    つまり欧州で、反ユダヤ主義が起こり、
    それは特定民族への排他的な思想が、
    ヨーロッパを席巻し、
    その行き着く先をドイツのヒットラーに、
    押し付けてしまった事実。



ナンミョウ ホウレン




    アジアでは、やはり欧州列強国で、
    アンチジャポニズムが巻き起こり、
    その顛末は、
    欧州が、20世紀を、
    世界制覇の幕開けとして、迎えたところに、
    日本が初頭、敢然と立ち向かい、
    完膚なきまでに、
    その野望を根底から覆してしまった。




          
 ドンガラガッタ




    それは、アッチラ大王の再来と、
    大袈裟に捉えられ、
    その時点で、彼らに日本亡国の願望が、
    彼らの深層心理の中に、
    育まれたと云っていい。




            
コッチラー




    つまりは、大和民族の発生も知らず、
    合わせ持つ文化・歴史・思想も知らず、
    ただただ武士道を恐れ、
    その行き着く先をアメリカに押し付け、


    原爆によって終りとした事実。




アーメン  




    そして、信じられないこの事実が、
    具体的に日本で起こった時、


    中国はいつのまにか脱亜入欧路線をとり、
    高見の見物と決め込んだのも事実。




        ウ〜〜ン〜モット、セイソウケン、カラダ 
                   チュウソ、コッキョウ、ニハ、
                  バンリノ、チョウジョウ ミタヨ
                     ミタミタ、ミタンダーーー





    この世代の要人、
    毛沢東・周恩来・蒋介石は、
    後に沸き起こる、
    俗に云うところの、
    南京大虐殺を口走らないのも、
    その時期、彼等にそのような事を、
    口に出す術(すべ)さえも、
    思い浮かばなかったに、違いない。


    即ち、日本を、
    徹底的に利用していたからである。




      ッタク、モウ! ナケテ、ナケテ




    彼らは、国内で、
    権力闘争に明け暮れていた頃、
    日本が、清朝末期から太平洋戦争に至るまで、
    どのように関わって来たのか、
    総て、先刻承知していた。


    この大戦が終わって、数年後、
    アメリカ軍の大将だった、
    ダグラス・マッカーサーが述べた。
    「日本の戦いは自衛の為の戦いだった。」




          シッテルー、コノヒト、
                       ガム、バラマイテター





    当然この場合の自衛の戦いとは、
    亜細亜の自滅を恐れたのだ。


    この見方を最も嫌うのも中国。
    だが、もし中国が、
    アジアで暴れまくっていたら、
    間違いなく、
    大東亜共栄圏になっていたかもしれないが、




           
マユ、マユ、マユッポイーーー




    そのように果たせなかったのは、
    自国の体制ばかりに気をとられ、
    アジア及び極東を見極めるゆとりが、
    消失していたのも事実。


    そのため、少し時代が落ち着いてくると、
    日本をコンニャロメ、アンニャロメと、
    リードし続けて来るのは、


    知ってるテルテル坊主が、
    あちらこちらに、立ち並ぶ事を、
    とても危惧してるのであります。




            シッテルテルテルボウズ、ッテ、
                            ナンナノ?





    あーした天気になーれ


    即ち宗主国として、
    やるべき事をやらなかった点を、
    払拭したいんですよネー。




        
テンチョウ、ダ  サクホウ、ダ
                          チョウコウ、ダ





    中国の歴史教科書には、
    このような事は書かれてはいないし、
    教わりもしないでしょう。
    ですから、気軽に話が出来れば、
    互いのこだわりも無くなるんですよ。


    ここで少し距離をおいて、
    日本から見た歴史を述べます。






 文字や文献の記録や、
絵画を通して云える確実な事は、
ヨーロッパで、15世紀に始まった大航海時代。


先駆けは、コロンブスのアメリカ大陸発見、
バスコダガマのインド発見、
マゼランの世界一周、等、
欧州から見ると、世界は海を越え、
各大陸に広がっていった。


 その行為はオセロゲームの様に、
有色人種を次々ひっくり返し、
約400年かけて、丸い地球を、
白の札で埋め尽くして来て、
最後に残った札が、中国と日本の2枚札だった。


 ナイル チグリス・ユーフラテス インダス・ガンジスが潰れ、更に中南米も潰れ、
文明の発祥地といわれる所では、
中国だけが残った。


そのせいか中国は、近現代に入って、
自ずと文明を続ける土壌が拡大し、
いつの間にか、唐草模様の大フロシキを、
世界一面に拡げ、


中国が、たった一国で、
あらゆる地域文明を引き継ぎ、
背中に背負い込んでいると自負し、
抱きはじめて行った。





オオキナ、カラクサモヨウノ、ツツミヲ、
             カツグヒトハ、ゼッタイコロバズ
                 ヨルデ、コバシリデ、スリアシ、
          ドウイウワケカ、デメデ、ワキメモフラズ、
             トリウチボウシ
ガ、フカイ





ところが、現実は、
もっと大きな十字架模様の大風呂敷が、
白く、隅から隅まで、端から端まで、
大海原に乗っかる大陸を、
世界中、包み隠していた事を、
中国最後の王朝、清は、知る由も無かった。





 そこにイギリス・フランスが徐々に徐々に、時間をかけ、18世紀頃から、
中国王朝の唐草模様に絡み始めた。
アヘンを小さく握り締めて。





 日本は見ていた。
日本は、この頃外国人を排除する鎖国の実行中で、
唯一長崎の出島に限って、外国船の入港を認めていた。
 それも総ての国ではなく欧州に於いては、
ポルトガル・オランダ以外は、出入国を認めなかった。
したがって日本はそこを窓口にして、世界情勢を、ことごとく吸収し、総てを見て勉強していた。


ヨーロッパは益々オセロゲームが進み、
時勢の流れは重なるように、
19世紀、
充実した産業革命による、鋼鉄製の大型戦艦等の成果を絡め、自信にみなぎって、世界の大海に羽ばたいて行った。


 それは、いずれの所、世界中至る所で、
日出づる処の天子を抱き、まさに総てを両手で抱きかかえようとしている。
 日本から見れば、
ハナもちならぬ居丈高な振る舞いだった。


 逆に欧州は、
中国の大フロシキの口元を結んでしまえば、
総て日本も含めて、世界を丸のみGame Over
一巻の終わりと、まさに終えようとしていた。


 日本はそれが読めたし、中国の孫文も、
はっきりと理解していたから、
当時、中国国内で、活発に活動していたんだ。


ところが最後の王朝、清が、誠にダラシナク、
熟れたトマトの如くに、化けてしまっていた。
 孫文は立ちあがり、何度も清朝と戦ったのだが、
西太后は聞く耳をもたなかった。
 それどころか、政敵として孫文を、
抹殺しようとさえしていたのである。


 その時、身を寄せていた日本も立ちあがり、
来日する度に、孫文を側面から応援し、
何とか現状を打破、戻すべき方向へと、
国を挙げて補佐したのだ。


ところが中国は、過去の栄光と、広大な領土に埋没し、
視界を内向にと、身構えてしまっていたのである。


 そんなかたくなな清王朝の姿勢を、
欧州列強は外さなかった。
上海に次々と各国競うように租借介入し、
その様は、
中国領地のぶん取り合戦の様相に、
変貌していったのである。


 日本は、目と鼻の先で、
アリアリと白蟻に蝕まれて行く中国に、
目をつぶって、見過ごす事が出来なかった。


 同じ様に、
上海に租借地を持ち、
事の経過を見続けたのであった。


ある人は、日本はその時すでに、
大陸の侵略を狙っていたと云うが、
その説は、まさに、井の中の蛙にふさわしい。
今や瞬きも億劫のようである。




その後の、日本の動きをみると、黙ってても、
そんな野心・野望が無かった事は、
明らかになる。


それでも、塩漬歴史家、塩漬評論家は、
懲りもせず、自虐史観を、植えつけようとするが、
その意図する目的は、なんであろう。 
国家に、どのように反映したのであろう。
現世を見るにつけ、何を語ろうとするのか。


時が、明確に解き明かしてくれる事実を、
目の前にして、
どう向き合うのか。
衰えた視界では、
捉える事が出来そうにもない。




          
・・・トトットッ
                
イチーーーーシャシャッツ




その後日本は、
総崩れだけは何としても防がねばならぬと、
脱亜入欧路線をとり、
急いで、あらゆる面で近代装備に励み、
力を蓄えていったのも事実。


やがて見る、その時の日本軍は、
はじめて、肉食系民族、
欧州列強の戦いぶりを目撃するのだが、
その戦況は、あまりにも異なっていた。






           
 ククルクルーーー






そこから、英国はやがて、
騎士道と繋がる日本軍を見たに違いない。
のちに日英同盟を結ぶ事になる。


中国も、黙って日本軍を、見過ごしてはいなかった。
引いたり攻めたりしながら、
上手に日本軍を、捉え、
いやが上にも、
日本は中国内戦の泥沼に、
引きずり込まれて行ったのである。




   
         ハルマキー ヒダリマキー





歴史の転換点から云ったら、
いつからどこで、身を引くべきだったかを、
考察するに、
はっきりと線引きする事は、不可能な状況だった。


 それは、有色の札をひっくり返す力が、
アジア各国に備わっていなかった。
 この時代の情勢は、
欧州の真白な帝国主義に埋まり、


日本だけが、時代の色変わりに逆らう事が、
到底無理な時であった。
もう、詰め将棋の王手を指された状態が、
ずーと続いた。


つまり中国とは、
同体の独楽(こま)になるように、
組み込まれてしまったのである。


この時の中国こそ、
だてに5千年の歴史を、
積み重ねて来たのではない事を、
まざまざと見せつけられた。


 常にこの国は、成層圏から見ている。
最近では、4〜5年前、
中国のロケットが、
自国の古い人工衛星を、正確に爆破した事で、
ロケットの精度の高さを誇り、
尚且つ、大国の仲間入りを、
世界に向って、発信した。





 しかしこの件は、
これから宇宙遊泳の時代に入り、
必ずレッドゾーンエリアとして、禍根を残す。


 地上では、これよりさかのぼる事100年も前、
中国は自らの為に、日本をどう操るか、
 誠に計算高く、アブリダシの様に、
日本軍を動かしたのである。





        
 トッカンコゾウ  トッテンカン
                          トンチンカン





 話は変わるが、
司馬遼太郎氏が、生前、
日中戦争を書こうと資料を集め、
 中ソ国境のノモハン事件から、
始めようとしたが書かなかった。


 それは、本人がその場に、
軍人として軍服姿で参戦した記憶が、
いやがうえにも蘇り、
時が経って、若き血潮と国土と自身に対し、
なにやら漠然と虚無感が漂い、
耐えられなかったのではないかと、
想像してしまう。


 大航海時代の終焉は、
文字通り、欧米列強から、
 太平洋の舞台に誘い出され、
追い込まれた日本軍


 まさに、刀折れ矢尽き果て、
粉骨砕身のうちに撃沈されたのであった。


 ある兵は、艦上で、防空壕で、子女の頭上で、
新たな秩序への無常なる咆哮の想いを、
全身むさぼるよういくえもはおり、命を絶っていったのである。


 今になると、静かに、遠ーくの、
抗いようのない戦いに、身体を晒した日本兵。
 黙って厳粛に頭を下げ、
心から手を合わせている。




    中国は、1945.8.15を過ぎて、
    ソビエトと条約を結んだ。


    その内容は、もし再び日本が侵略して来たら、
    中ソ共同作戦をとって、
    互いに対処し、防衛する、
    といった条約だった。


    何ともオドロしく、
    日本は大きく買い被られた事か。


    そして今、65年も過ぎて両国は、
    日本近海で、変な形で擦り寄ってくる。


    2010年9月
    中国、ロシア両党首は、話し合いを持ったが、
    その席での内容は、
    尖閣であり、北方四島である事は、
    すぐその後の動きから、
    全く辻褄が合う。


    つまり両国は、第二次世界大戦終了時の、
    境界ラインを、そのまま引き継ぐという、
    共同声明に調印した。


    すなわち、有事の際の不凍港確保の為の、
    北方四島であり、


    尖閣列島は、
    石油及びメタンハイドレードの、
    有望な鉱区であり、


    又、より早く太平洋へ、出陣し得る、
    航路の確保でもあった。


    両国に云おう。
    日本に交戦権を持たせようとするのか?
    日本は戦争をしたくないのだ。




         
   モットモット




    今度はロシアに云おう。
    メドベージェフさん、アナタの力量を、
    日本の領土奪還する事で、
    プーチンさんを牽制しようとしてますね。


    国内での地位立場を不動のものにしたく、
    背伸びしてますね。
    アナタは若く、北方四島問題のイキサツも、
    知らないデショウ。


    モトモト、帝政ロシア
    及びソビエトユニオン時代、
    今のロシア連邦も同じなのだが、
    共通する事は、厚顔無恥。


    貪欲な領土拡張主義を、
    常に念頭に事を進めてくる。
    この点、両国はまったく同じですよ。


    先の大戦では、中国にとって、
    最も気が気でなかった事は、
    接するニコライ、レーニン、スターリンの
    動きでしょう。


    ですから中国は、強力な日本軍を、
    国境、満州に貼り付け、南下政策罷りならぬと
    最大限、利用したんですよ。





 
キェー −− −− −−− −− −− −−− −−




    メドベージェフさん、
    あなたの国は、
    もっぱらマフィアの国といわれてますよ。





       
ドカン、ヒイテ、ヤッタノニ





    前世紀の初めより、
    モスクワを基点に、東へ東へと領土を拡張し、
    太平洋を望むシベリア全土を手中にし、
    更に、海を越え小さな島々にまで、
    米俵イッパイ詰め込んだんですヨ。


    当時、ニコライ2世は、
    アラスカを手放したように、
    そこは、太平洋までと、
    その先を臨むべき考えは、
    持ち合せてなかったんですよ。


    その先の地域は、
    地球上最後に残された秘境地で、
    境界がはっきりしていなかったんですよ。




    従って、日露戦争後、事の顛末を、
    アメリカのローズベルト大統領に依頼したが、
    この時、日本にオセロゲームの感覚があれば、
    間違ってもこんな道は選ばなかった。


    初期、日本の大局の見解は、
    ここから始まった筈なのに、
    誰が、こんなイバラの道を、選んだのか。


    とにかく、誰でもいい、
    当時、骨っぽい人は、ゴロゴロいたのだから。
    直接ロシアのニコライ二世と、
    面と向って話をすれば、
    確実に、確実な事になっていた事は、
    間違いないんですよネーー  


    ここは、モスクワから見れば、
    真っ暗闇の所です。
    そこを、18世紀の末、
    日本政府から、派遣された間宮林蔵が、
    カラフト領地として、
    政府に報告を出しています。


    一度そちらのテレビで、
    北海道を大写しで御覧なさい。
    北方四島なんて、コボレタコメ四粒程で、
    ロシア極東繁栄から見つめたら、
    あまりにも小さい。


    具体的に話します。
    北方四島を、黙って無条件で返還したら、
    極東ロシアは、何処よりも、瞬く間に、
    経済発展します。


    これは、
    シベリア全体の繁栄につながり、
    エネルギー開発、インフラ、
    ツンドラ地帯、永久凍土、
    環境問題にも波及します。


    ですから、
    北方四島を、元々の領土に戻す事が、
    何万倍もロシアの為になるのです。


    互いに、口いっぱいカニは食べられるし、
    温泉は入れるし、
    ハバロスクからモスクワまで、
    新幹線は走るし、
    安く綺麗なロシアの車で、
    同じくハイウェイも走る。


    又あらゆるエネルギー産出国ゆえに、
    すぐにも効率的な、重・軽工業国となり得る。


    これは世界中誰が見ても、そうするし、
    これまた、
    仮にも、ロシアより愛をこめて、なら、
    ニッポン政府は、
    すぐにでもカッ飛びますよ。


    ガガーリンさんも、
    きっと空から、頷くでしょう。




               
 アオイ




ヨコヤリのヤツ、今度は、東シナ海まで飛んで、




        
ザッザケンナーー




帰って来ると、男の周りを飛んでいる。




 
 ホントウノ、コトナノダナ




  男     本当だ。




聞くとカンパツ入れずヨコヤリは、
今度は大陸の沿岸辺りまで、飛び、




     
 ニヤロ、フルフルフルッパ、
                       ザザッケンナー、
               ジョウダンーーヌカヌカ、
                   ーーババッキローーメ
                        ババッッキローーメ





やけに威勢良く飛び周る。




やがて、毛沢東・蒋介石・周恩来、3氏が亡くなると、
続く江沢民によって、
南京でのデマが浮上したのも事実。
それは、米国が原爆投下に、
自責の念を持ちはじめた頃であった。




       
ツマリ、、、カズアワセ、ナンダヨネー




塩漬けが解き放たれるには、
まだ経過を要するが、
不思議な事に、
この新たなるページを、めくった辺りから、
世界中でUFO目撃情報が、多発するのである。




        
ドッカデ、ミテルンダヨ、シンナイケド
                タシカ、ダレダッタカ、
                 アメリカ、ダイトウリョウガ、
               エイリアント、アッタ、トカ、キイタヨ





従って、中国の南京でのデマは、
まだ生臭さの中に、生き続け、
双方にとっては、誠に都合のよい、
納得、納得ごっこである事も事実




         
コノケンハ、ホコロブ
                    カナラズ、ホコロブ





 世界はこの事実をも、大風呂敷に詰め込んで、
21世紀を、乗り切ろうとしている。 
でもこれは無理。


100年前あたりの、鋳型の原型が、
風雪と共に塩気も抜け、
ぼんやりとリアルに削げ始めたのも事実。


 この事実は、
先の先の大戦実写記録フィルムとなって、
全世界に散らばり、
特に欧米に集中している事からして、
目を閉じる事は難しい。




 男  こんな事アタリメーのアタアタ
    アタリメー
    イカイカイーカ、




           
ヨセヨ、ミットモナイ




 男  アタ、アタ、アタ・・・




      
ヨセッテ、マエダノ、クラッカー、ノ、
                 ムコウヲ、ハッテンダロー





 男  これから大事な事をアタ、アタ、アタ・・・




         
ダカラ アタリメノ イカデ
         シメヨウ ッテンダロー





 男  うっせーー!
    大事なアタ、アターッ、アタッ、アタッツ




        
 ヤメローッテ、
                      ダレモ、キイテナイヨー





 男  これだけは、今・・・今、云う、・・・・
    いずれ、かな、かな、・・・
    必ず、かななな・・・




      
ワカッタ カナブンノ ナゲキ ナンダナ 
                        ソレデ・・・?





 男  かっかっかっ・・・




          
トンカツカ? 
                 トンカツガ ドウシタ?





男は首を振って否定しながら、
青ざめ立ち止まっているので、
ヨコヤリは、目の前をゆっくり往復飛んで、
自分の身体で軽くビンタを張った。


男は目を見開くと、肩の力も抜け、
おもむろに、真っ白く日の射す上空を、
何かに憑かれたように見据えると、




 男  カーーーーーカツカッカッ、
         チュチュッチュ、カナナナナナ




       ン? カナブンハ トンカツ ニ キスシテ
                ・・・ソレデ・・・ソレデドウシタ
            ・・・・・・カツヲ タベタカッタン ダロ




  男 ・・・・




        ヨウハ オナカ スイテン ダロ




  男 ・・・・




             ・・・オイ!





  男 ・・・・




         
ドウシタ!・・ドウシタノ・・・




  男 ・・・・




             
ヤメテクレヨ




  男 カーーーッカーーーッ カカカカカ カナラズ
    13億の タタタ民が、
    チュチュチュ、中央に・・・・向っていく。




と云ったまま、
呆然とホテリ顔を照らし、立ちつくしていた。









           ドウデモイイ!!





 男  ・・・




       
 オーイ スワレ メガ ツブレルゾー




男はガクッと首を落とした。




     
 ツマンナイ コトヲ 
               ナニ キバッテ イルノダ





 男  ・・・




     
 ハラデ ハナス ッテ コノコトカ?




 男  ・・・




     
 ンナコトヨリ 
             イカカ クラッカー バラマイタホウガ 
                     ズーート  イーカモヨー





男  ・・・・・・




 少しへこんだ男。 
それにしてもいい天気なのは、
このあたりは毎日こんな日々なのかと、
周囲を見回した。


 火口のイカダが目に入ると、
緩みをヒモで締め直さないとダメだなと思ったが、
そんなヒモ探す暇は、今ないのを、
この男は知っていた。


そして又、気を取り直し、
四角い台座石上に、
南からの一条、暖かい風が向って来たところで、
ヨコヤリと思いっきり深呼吸していた。






 皆ーーんな   ガンバリマス、
           ガンバラナクチャーー





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