2015.4.14


またまた現れた男は、もう2時間も富士山の火口をゆっくり軽い足取りで散歩している。
ヨコヤリは男の頭上4〜5Mのところを、着かず離れずトンボのように旋回している。


男は思い浮かぶ歌を、次間なく次々と口ずさんでいる。
ヨコヤリは聞くでもなく、時には少し離れて飛行し,
遠くを眺めては男の動向を確認している。


男はラテンのフレーズを、
何回も何回も繰り返し歌っている。


  ♪ ケボニトソフォステーネン、アーパサンドロミア、
                   
                   マラゲーニィア・・・♪ 


歌は急に止まると、ツブツブ小さい声でとなえている。


アイツは無礼だ! 
「来てくれ来てくれ」と誘っといて、
正式に招待しておきながら、あの無礼だ。
それも国際舞台で・・  
ガツンと脳天カチワリだ! ブツブツブツ


そして東の例の石の上に立ち上った。


この男がこの定めの石に立つ時は、何時も陽がさし、風は微風、
白い大福もちを想わせる雲が視界の隅に入って、ジーッと動かない。


ヨコヤリもピタリと動きを止めた。


男はおもむろに、両手を腰にさすと、中国奥地にまで声が届くように、少し喉を上向きに伸ばしガナッた。





   嘘はヤメロ!
  侵略だ!侵略だと!何をもって日本を非難するのだ!


 ヨコヤリは急発進した。


今迄、2国間の話として聞いていたのに、いきなり国際間に怒鳴り始めたのはどうゆう料簡だ。


日本は誰が見たって、オセロ現象のところを黙って内緒話として聞き過ごしていたのに、何を考えているのだ・・





      アーアーアー





嘘は、騙すという事なのだぞ!
全世界を騙すのか!!





     イーイーイー     
        ダレニムカッテルノ
         チュウゴク ゼンジンミン 
          ソレトモ シュウキンペイ サン





キンピラに決まってるだろ!!





        ウーウーウーー  





 こんなの誰が食う





         アノー ナマエワ 
           チャント イッタホウガ・・・・・ 





 公人は大衆に晒されているのだ。
この男は人民の動きを掴めていない。


私は1993年だったと記憶するが、中国本土を約60日、列車とバスを乗り継いで一様見て歩いた。


目的は、中国の人々と街と動物園と彫刻をメインに動き、
離れた所では、内モンゴルのウホホト、雲南省のダジュウ等に足を延ばした。


お金は当時、円ないしドルを電車の切符のような「兌換券」に強制換金され、宿も100ドル程のホテルを指定された。


地方のダジュウなどかなり奧地の辺境なのだが、一家しかないシャワーもない宿でも、それなりの料金だった。


初めの頃、北京をはじめ何ヶ所か、普通の宿(招待所)に泊まろうと探したのだが、パスポートを出したとたん断られた。


このあたり徹底していて面白味に欠けたが、食事は自由だったのでほぼ毎夜ブラツキ探索していた。


こんな形で中国を終えたのだが、ここで強調したいのは、滞在中私が日本人とわかっても、不快な目に遭う事は1回もなかった


むしろ歓迎された場もあるし、時もあった。


それが今、20年も経過してどうなっているのか.
目もあてられない。
反日、反日一色。





今中国の体制下、個人の長期旅行が出来るのか出来ないのか知らないが、もし可能だとして、もしマイナーな旅人だとしたら、行く先々で仲間からもてるのは間違いない。


中国の国家体制・思想・軍事と話は広がるに決まってる。
特にアジアインフラ投資銀行AIIBに関しては、欧州勢は興味を持って近づいて来る。


シルクロードハイウェイ・鉄道の出発点は何所なのか。
世界中が知りたがっている。





      オオブロシキ
       シュウキン チャラーー



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